2025/4/22

エクセルで3σの求め方(標準偏差を使った計算)【コピペですぐに使える】

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はじめに

エクセルで 3σ を求めるには =3*STDEV.S() を使用します。

下にサンプルのセルデータがあるので、 コピペですぐに使用できます。

3σ とは

3σ とは、標準偏差の3倍の値のことです。

データの分布が正規分布に従う場合、 平均値を中心として、±3σ の範囲に99.7%のデータが入ることが知られています。

範囲を変えたときに、 それぞれどのくらいの割合のデータが入るのかをまとめると、 以下の通りとなります。

範囲データが入る割合
±1σ68.3%
±2σ95.4%
±3σ99.7%
±4σ99.99%
±5σ99.9999%

いつ使うのか?

3σ は、データのバラツキ度合の基準値として使用されることが多くあります。

例えば、製品の製造工程の管理において、 事前に取得した寸法や重量などのデータを基に3σを算出し、 その値を外れ値の基準として、その後の不良品量のチェックに使用するなどです。 理論上、不良品は製造品の0.3% (= 100% - 99.7%) になるはずです。

実際には、さらに基準を厳しくした、 4σ や 5σ、6σを使用することもあります (それぞれ3σ幅の約1.33、1.66、2.00倍幅に相当)。

エクセルでの算出方法

以下の 全セルをコピー ボタンをクリックし、エクセルの A1 セルに貼り付けると、 D3 セルに 3σ(下記の場合 17.3896521)が算出されます。

A列のデータを書き換え、 データ数に応じて D3セル中の参照セルを書き換えることで、 各自のデータにあわせて計算できます。

ABCDE
1データ
2X平均値=AVERAGE(A3:A12)
3101=3*STDEV.S(A3:A12)
498
595平均値 - 3σ=D2-D3
6104平均値 + 3σ=D2+D3
797
8103
999
1093
11108
1288

算出手順

エクセルで 3σ を算出するには、=3*STDEV.S() を使用します。 STDEV.S 関数は標準偏差を算出します。

STDEV.S関数

引数の範囲のすべてのデータの標本標準偏差を算出する。
第2引数, 第3引数, ... を追加することで、標準偏差の算出に用いるデータを増やすことができる(省略可、最大引数255)。

例:STDEV.S(A3:A12)

  • 第1引数 (A3:A12): 評価するデータの範囲(必須)
  • 第2,3,...引数 : 評価に追加するデータの範囲(オプション)

STDEV.S関数か?STDEV.P関数か?

エクセルには、標準偏差を算出する以下の2つの関数が存在します。

  • STDEV.S 関数: 不偏標準偏差を算出(標本 から 標準偏差を予測)
  • STDEV.P 関数: 標準偏差を算出(母集団 から 標準偏差を直接算出)

多くのデータは母集団の一部である 標本 (サンプル)のデータ、
かつ、そこから母集団のバラツキを推定したいことが多いため、
STDEV.S 関数が適しているケースが多いです。

ただし、データが 母集団全体 である場合は、
STDEV.P 関数を使用します。
(例:製造品の全品データ、学校のクラス全員のデータなど)

さらに、 平均値を中心とした 3σの下限と上限は、下記で算出できます。

  • 下限 (平均値 - 3σ): =AVERAGE(A3:A12) - 3 * STDEV.S(A3:A12)
  • 上限 (平均値 + 3σ): =AVERAGE(A3:A12) + 3 * STDEV.S(A3:A12)