エクセルで母分散の信頼区間の簡単な求め方【コピペ用テンプレートあり】

はじめに
エクセルで母分散の区間推定を行うことができます。
下にサンプルのセルデータがあるので、
母分散の信頼区間とは
信頼区間は、ある一定の確率で母集団の真の値が存在する区間のこと です。
- 具体例:「母分散の95%信頼区間は 」=「母分散が95%の確率で に存在する」
いつ使うのか?
手元にあるサンプル(標本)データから、母集団の分散値を推定する際に使用します。
エクセルでの算出方法
以下の 全セルをコピー ボタンをクリックし、エクセルの A1 セルに貼り付けると、
データを変更したい場合は、
D1セルの値を 0.99 に変更すると、99%信頼区間が算出されます。
算出手順
エクセルで信頼区間の上限・下限を算出するための手順は以下の4つです。
1. パラメータを設定
計算に使用するパラメータを設定します。
- 信頼度(信頼係数): 信頼区間の信頼度。0.95を設定すると95%信頼区間が算出される。
2. データの基本統計量を算出
データから不偏分散、サンプル数(データ数)を算出します。
- 不偏標準偏差: VAR.S 関数
- サンプル数(データ数): COUNT 関数
3. カイ二乗値を算出
信頼区間の算出(手順4)で使用するカイ二乗()の値を算出します。
3a. αと自由度を算出
カイ二乗値の算出に必要な以下の2つの値を算出します。
- α = 1 - 信頼度(信頼係数)
- 自由度 = サンプル数(データ数)- 1
3b. カイ二乗値を算出
CHISQ.INV 関数を使用して、カイ二乗値を算出します。
- 下限に対応する値: α/2 (95%信頼度のとき 0.025)
- 上限に対応する値: 1-α/2 (95%信頼度のとき 0.975)
確率
, 自由度
)確率
(下側確率)と自由度
から、
カイ二乗分布のカイ二乗値(臨界値)を取得する。
確率
自由度
4. 信頼区間の上限・下限を算出
手順2, 3で算出した値を使い、信頼区間の上限・下限値を算出します。
- 信頼区間の上限(下限): 不偏分散 × (カイ二乗値 / 自由度)