2025/6/20

エクセルIFERROR関数の使い方: エラー値を空白に - 0が表示される対策あり

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はじめに

エクセルのIFERROR関数は、 エラーが発生しそうな数値計算やデータを見やすくするときに使用される関数です。

ここでは、IFERROR関数の

  • 基本機能・使い方
  • 注意事項
  • 関連する関数
  • 使用例、応用法

について取り扱います。

基本機能・使い方

IFERROR関数は、 エラー値に対して特定の処理を行う関数 です。

IFERROR関数
IFERROR ( , エラーの場合の値)

がエラー値のときに エラーの場合の値 を返す。 それ以外はをそのまま返す。

: 必須
A3
エラーを出力しているか判定に使用する値。
エラーの場合の値
: 必須
""
値がエラーの場合に返す値。

注意事項

意図した結果にならない場合の原因・対策 について解説します。

エラー値の判定基準

IFERROR関数は、以下のすべての種類のエラー値に対して一律に処理を実行します。

  • #VALUE!
  • #REF!
  • #DIV/0!
  • #NUM!
  • #NAME?
  • #NULL!

うまく動作しないときの原因と対策

IFERROR関数がうまく動作しない場合、 以下のような原因が考えられます。

  • 空白セルを参照すると 0表示になるとき:
    • に指定した空白文字が数値の 0として認識されている。
      対策:の直後に&""を追加し、文字列として認識させる
      (例: =IFERROR( I3 &"", ""))。
      ただし、その値を使った数値計算には注意※。

※ 文字列扱いの数値はうまく計算されない場合がある

文字列扱いされている数値を使って数値計算を行うと、意図した結果にならない可能性があります。
たとえば、SUM関数では 文字列は無視されます

これを回避するには、1をかける(1* or --)またはVALUE関数を使用する、といった方法があります
(例を参照)。

関連する関数

IFERROR関数と似た機能を持つ関数には、以下があります。

  • 分岐処理系
    • IF関数: エラー値に限定せず、条件分岐を行う。 ISERROR関数と組み合わせると、IFERROR関数と同様の処理になる。
    • IFNA関数: #N/Aエラー の場合にのみ、分岐させる。
  • エラー判定系 (TRUE / FALSEを返す)
    • ISERROR関数: エラー かどうかを判定。 IF関数と組み合わせると、IFERROR関数と同様の処理になる。
    • ISERR関数: #N/A以外のエラー (例:#VALUE!#DIV/0!など) を判定。 IF関数と組み合わせると、特定のエラーのみを除外できる。
    • ISNA関数: #N/Aエラー を判定。 IF関数と組み合わせると、IFNA関数と同様の処理になる。

使用例、応用例

IFERROR関数の使用例・応用例として、以下のパターンを紹介します。

  • エラー値は非表示にしてデータテーブルから値を抽出:VLOOKUP関数との組合せ。

エラー値は非表示にしてデータテーブルから値を抽出

VLOOKUP + ISERROR関数の組み合わせで、 「データテーブルから値を抽出 (ただしエラー値の場合は非表示) が実装できます。

関数の構成

=IFERROR(
  VLOOKUP( 検索値 , データテーブル範囲 , 抽出列 , FALSE ) ,
  ""
)


【空白文字が0になる & 数値計算がおかしくなる例】
ABCDEFGHIJKLMNOPQR
1❌空白文字が0になる🟡数値の計算がおかしくなる✅表示も数値計算もOK
2100100100100100100
30
4#DIV/0!#DIV/0!#DIV/0!
5
6合計値100合計値0合計値100

ABCDEF
1A1
2B2検索値:C
3C#N/A抽出値:
4D3