2025/6/21

エクセルMEDIAN関数の使い方: 中央値の算出 - IFとの組合せも

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はじめに

エクセルのMEDIAN関数は、 データ解析や数値計算のときに使用されることのある関数です。

ここでは、MEDIAN関数の

  • 基本機能・使い方
  • 注意事項
  • 関連する関数
  • 使用例、応用法

について取り扱います。

基本機能・使い方

MEDIAN関数は、 選択範囲の数値の 中央値を算出する関数 です。 文字列や空白セルは無視されます。

MEDIAN関数
MEDIAN ( 数値1, 数値2)

指定した 数値1 の中央値を算出する。 数値2, 数値3, ... を追加することで、 評価に使用するデータを追加できる (最大: 数値255)。

数値1
: 必須
A1:A4
評価する数値データの範囲。
数値2
: 必須
C1:D2
評価に追加する数値データの範囲。

うまく動作しないときの原因と対策

MEDIAN関数でうまく動作しない場合、 以下の原因が考えられます。


  • 計算値がおかしい(合わない)とき:
    • 参照している値が数値でなく、文字列として認識されている
      対策:セルの書式を 数値 (or 指数など) にする。セル記入値に含まれる 空白文字特殊文字を削除する。※
    • 丸められた数値が表示されている
      対策:セルの小数点以下の表示桁数を増やす。
    • フィルタ機能や行・列の非表示による見えないセルを参照している
      対策:非表示のセルを表示させる。または、SUBTOTAL/AGGREGATE関数を使用する(フィルタ機能にのみ有効)。

  • エラー (#VALUE!, #DIV/0!, #REF!など) が出力されるとき:
    • 参照範囲にエラー値が含まれている
      対策:参照範囲からエラー値を削除する。または、AGGREGATE関数を使用する。

※ 1をかけると数値に変換できる

文字列として認識されていても、1を掛ける (または -1x-1 を掛ける) ことで数値に変換できます。

例:=1*A1, =--A1

関連する関数

MEDIAN関数と似た機能を持つ関数には、以下があります。

  • 基本統計関数グループ
    • AVERAGE関数:指定した範囲の平均値を返す。
    • MODE関数:データの中で最も多く出現する値(最頻値)を返す。
    • QUARTILE関数:データの四分位数(最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数、最大値)を返す。
    • PERCENTILE関数:データの中で指定した百分位(パーセンタイル)の値を返す。
    • PERCENTRANK関数:指定した値のデータ内での百分率順位を返す。
    • FREQUENCY関数:データの度数分布を配列として返す。
    • STDEV関数:データの標準偏差を返す。
    • VAR関数:データの分散を返す。
  • 機能拡張グループ
    • SUBTOTAL関数:フィルターで表示されている値のみの中央値を計算できる。
    • AGGREGATE関数:SUBTOTALの機能に加え、エラー値を無視して中央値を計算できる。

使用例、応用例

MEDIAN関数の使用例・応用例として、以下のパターンを紹介します。

  • 条件を満たす値のみで中央値を算出:IF関数との組合せ(配列数式使用)。

条件を満たす値のみで中央値を算出

IF関数と組合せ、 条件に合うデータのみを使用して中央値を算出する例です。 ここでは Aに分類されている数値データのみを使って中央値を計算しています。

配列数式を使用するため、動的配列数式に未対応の旧バージョンのエクセルの場合は Ctrl + Shift + Enter (CSE) で入力する必要があります。

関数の構成

=MEDIAN( IF( "A" or "B" の配列 ="A", 数値配列 ) )


【文字列を含む例】
ABCD
1❌文字列あり✅数値のみ
211
322
433
5文字列→4
655
7
82.53

ABCDEF
1A1
2A2Aの中央値:2
3A4
4B3
5B5