エクセルPRODUCT関数の使い方: すべて掛ける - IFとの組合せも

エクセルのPRODUCT関数は、 データ集計や数値計算のときに使用されることのある関数です。

ここでは、PRODUCT関数の

• 基本機能・使い方
• 注意事項
• 関連する関数
• 使用例、応用法

について取り扱います。

PRODUCT関数は、 選択範囲の数値を すべて掛けた値を算出する関数 です。 文字列や空白セルは無視されます。

PRODUCT関数でうまく動作しない場合、 以下の原因が考えられます。

• 計算値がおかしい（合わない）とき：
  • 参照している値が数値でなく、文字列として認識されている
    対策：セルの書式を 数値 (or 指数など) にする。セル記入値に含まれる 空白文字、特殊文字を削除する。※
  • 丸められた数値が表示されている
    対策：セルの小数点以下の表示桁数を増やす。
  • フィルタ機能や行・列の非表示による見えないセルを参照している
    対策：非表示のセルを表示させる。または、SUBTOTAL/AGGREGATE関数を使用する（フィルタ機能にのみ有効）。

• エラー (#VALUE!, #DIV/0!, #REF!など) が出力されるとき：
  • 参照範囲にエラー値が含まれている
    対策：参照範囲からエラー値を削除する。または、AGGREGATE関数を使用する。

PRODUCT関数と似た機能を持つ関数には、以下があります。

• 積の基本的計算グループ
  • SUBTOTAL関数：フィルターで表示されている値のみの積を計算できる。
  • AGGREGATE関数：SUBTOTALの機能に加え、エラー値を無視して積を計算できる。
• 積の応用（数値演算）グループ
  • POWER関数：指定した数値のべき乗($X^Y$)を計算。
  • EXP関数：自然対数の底 $e$ のべき乗を計算。
  • FACT関数：指定した数値の階乗 ($n! = n \times (n-1) \times \dots \times 1$) を計算。
• 積の応用（配列・統計演算）グループ
  • SUMPRODUCT関数：複数の配列の対応する要素の積を計算し、その合計を返す。
  • MMULT関数：行列の積を計算。
  • GEOMEAN関数：幾何平均を計算。

PRODUCT関数の使用例・応用例として、以下のパターンを紹介します。

• 特定のセルが条件を満たすときのみ、値を表示：IF関数との組合せ。
• 0の値を無視して計算：IF関数との組合せ（配列数式使用）。

IF関数と組合せ、 特定のセルの条件によって分岐させる例です。 ここでは 状態 = OK の行のみ、計算値を表示させています。

IF関数と組合せ、 選択した範囲の中に含まれる 0 を無視して 積を求める例です （0の値は、1として計算されます）。

配列数式を使用するため、動的配列数式に未対応の旧バージョンのエクセルの場合は Ctrl + Shift + Enter (CSE) で入力する必要があります。