2025/6/19

エクセルROUND関数の使い方: 四捨五入されない場合の原因は?

Thumbnail for エクセルROUND関数の使い方: 四捨五入されない場合の原因は?

はじめに

エクセルのROUND関数は、 数値計算のときにしばしば使用される関数の1つです。

ここでは、ROUND関数の

  • 基本機能・使い方
  • 注意事項
  • 関連する関数
  • 使用例、応用法

について取り扱います。

基本機能・使い方

ROUND関数は、 数値を四捨五入して桁を丸める関数 です。

ROUND関数
ROUND ( 数値, 桁数)

四捨五入をして数値を丸める。
小数部分が、指定した 桁数 の数値に丸められる (1で小数部分が1桁の数値になる。 負の値で小数点以上の桁も指定可能)。

数値
: 必須
B1
丸め処理を行う数値。
桁数
: 必須
D3
丸め処理後の小数部分の桁数。

注意事項

意図した結果にならない場合の原因・対策、 について解説します。

うまく動作しないときの原因と対策

ROUND関数がうまく動作しない場合、 以下のような原因が考えられます。

  • 想定通りに四捨五入されないとき:
    • 指定している数値の、小数部分が隠れている※。
      対策:数値の小数部分の桁数表示を(小数第15位程度まで)増やして、確認する。

※ 数値計算では誤差が生じる可能性がある

エクセルの仕様上、 小数の計算で誤差が生じることがあります
これは、 表示する桁数を増やさないと気づきにくい ことが多いです。
単純な計算であっても、
表示されている数値と実際に処理される数値に、
差異がある可能性があります。

ROUND関数で適切に小数部分を丸めることで、計算誤差を軽減できます
(例を参照)。

小数をすべて整数にして、計算後に小数に戻す方法でも、計算誤差を減らせます。

関連する関数

ROUND関数と似た機能を持つ関数には、以下があります。

  • ROUND系
    • ROUNDUP / ROUNDDOWN関数: 指定した桁で切り上げる / 切り捨てる(桁指定が必須)。
  • 特定用途系
    • TRUNC関数:指定した桁で切り捨てる(桁指定が必須でない)。
    • INT関数: 整数化する。正の値は切り捨て、負の数は切り上げ。
  • 基準値の倍数(5や10などのきりの良い値)系
    • MROUND関数: 基準値の倍数の近い方に丸める。
    • FLOOR / CEILING関数: 基準値の倍数に切り下げる / 切り上げる。
    • FLOOR.MATH / CEILING.MATH関数: FLOOR / CEILING の強化版。負の数やMode指定が可能。

使用例、応用例

ROUND関数の使用例・応用例として、以下のパターンを紹介します。

  • 丸めた数値の合計値を算出:SUM関数との組合せ。

丸めた数値の合計値を算出

SUM関数と組合せることで、 小数を整数化して、その合計値を算出する例です。
配列数式を使用するため、動的配列数式に未対応の旧バージョンのエクセルの場合は Ctrl + Shift + Enter (CSE) で入力する必要があります。

関数の構成

=SUM( ROUND( 数値配列, 丸めた後の小数部分の桁数 ) )


【数値計算に誤差が生じている例】
ABCDEF
1🟡計算誤差が発生✅丸め処理で誤差を軽減
2数値:0.5数値:0.5
3
4整数化した数値:0整数化した数値:1

ABCDE
11.4
21.4合計値5
31.4
41.4
51.4