2025/6/13

エクセルSUM関数の使い方: 合計値を算出できる - 文字が入っていたら合わない/0になるので注意

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はじめに

エクセルのSUM関数は、 データの集計や数値計算など、多くの場面で頻繁に使用される関数の1つです。

ここでは、SUM関数の

  • 基本的機能・使い方
  • うまく動作しないときの原因と対策(注意点)
  • 関連する関数
  • 使用例、応用法

について取り扱います。

基本的機能・使い方

SUM関数は、 選択範囲の数値をすべて足し合わせた 合計値を算出する関数 です。
文字列や空白セルは 0 として扱われます(計算上、無視されます)。

SUM関数
SUM ( 数値配列1, 数値配列2, ... )

指定した 数値配列1 の数値データをすべて合計する。
数値配列2, 数値配列3, ... を追加することで、合計に加えるデータを増やすことができる(最大 : 数値配列255)。

数値配列1
: 必須
A1:A4
加算するデータの範囲。
数値配列2 , ...
: 任意
C1:D3
追加で加算するデータの範囲。

うまく動作しないときの原因と対策(注意点)

SUM関数でうまく動作しない場合、 以下の原因が考えられます。


  • 合計値と合わないとき:
    • 参照している値が数値でなく、文字列として認識されている
      対策:セルの書式を 数値 (or 指数など) にする。セル記入値に含まれる 空白文字特殊文字を削除する。※
    • 丸められた数値が表示されている
      対策:セルの小数点以下の表示桁数を増やす。
    • フィルタ機能や行・列の非表示による見えないセルを参照している
      対策:非表示のセルを表示させる。または、SUBTOTAL/AGGREGATE関数を使用する(フィルタ機能にのみ有効)。

  • 計算値が 0 になるとき:
    • 循環参照となっている
      対策:参照する値に、関数の計算結果を使用しない。

  • エラー (#VALUE!, #DIV/0!, #REF!など) が出力されるとき:
    • 参照範囲にエラー値が含まれている
      対策:参照範囲からエラー値を削除する。または、SUMIF/SUMIFS関数やSUMPRODUCT関数を使用する。

※ 1をかけると数値に変換できる

文字列として認識されていても、1を掛ける (または -1x-1 を掛ける) ことで数値に変換できます。

例:=1*A1, =--A1

関連する関数

SUM関数と似た機能を持つ関数には、以下があります。

  • SUMIF関数: 単一条件 を指定して、合計する。
  • SUMIFS関数: 複数条件 を指定して、合計する。
  • SUBTOTAL関数: フィルター機能による非表示の値を排除 して、合計値を算出できる。
  • AGGREGATE関数:SUBTOTAL関数の機能に加え、 エラー値を除去 して合計値を算出できる。
  • SUMPRODUCT関数:複数の配列の 要素同士の積 (または和/差/商) を合計する。

使用例、応用例

SUM関数の使用例・応用例として

  • INDEX関数との組合せ:列(or 行)を指定し、その合計値を算出する。
  • ROUND関数との組合せ:桁数を指定して丸めた数値の合計値を算出する。

のパターンを紹介します。

INDEX関数との組合せ

複数列のデータに対して、指定した特定の列(or 行)のみの合計値を算出する例です。 列番号を変えるだけで、参照範囲(列)を変更できます。

関数の構成

=SUM( INDEX( 数値配列, 行番号, 列番号 ) )

ROUND関数との組合せ

小数を整数化して、その合計値を算出する例です。
配列数式を使用するため、動的配列数式に未対応の旧バージョンのエクセルの場合は Ctrl + Shift + Enter (CSE) で入力する必要があります。

関数の構成

=SUM( ROUND( 数値配列, 丸めた後の小数の桁数 ) )


【文字列を含む例】
ABCD
1❌文字列あり✅数値のみ
211
311
411
5文字列→1
611
7
845

【循環参照の例】
ABCD
1❌循環参照あり✅循環参照なし
2011
311
411
511
611
7
805

ABCDEF
112
2122
312合計値10
412
512

ABCDE
11
21.1合計値5
31.2
41.3
51.4