2025/4/21

エクセルFREQUENCY関数での度数分布表の簡単な作り方【コピペですぐに使える】

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はじめに

エクセルには、度数分布表の作成に役立つ FREQUENCY関数 があります。 この関数を使った度数分布表の簡単な作り方を説明します。

下にサンプルのセルデータがあるので、 コピペですぐに使用できます。

度数分布表とは

度数分布表とは、データの分布をわかりやすく表にしたものです。 特定の区間またはカテゴリを設定し、 各設定範囲の中に、それぞれに該当するデータの数を示します。

これを棒グラフで視覚化したものがヒストグラムになります。

いつ使うのか?

度数分布表は、大量のデータの全体像や分布を把握したいときに役立ちます。

データ中で出現する数値の種類が多くても、 一定の区間ごとにグループ化しまとめられるので、 データが見やすくなります。 連続データ の分布を把握したい場合には、このグループ化が必須です (たとえば、1.01, 1.22, 1.83, ... など、はすべて 1~2 の1グループにまとめられる)。

エクセルでの算出方法

以下の 全セルをコピー ボタンをクリックし、エクセルの A1 セルに貼り付けると、 F6 セル以下 ※ に度数(頻度)が記入されます(下記の場合 4, 3, 1, 0)。

A列のデータを書き換え、 パラメータ D2, D3セルの値を設定し直し、 度数分布表の長さに応じて C8, E8セルの数式を下に拡張すると 各自のデータにあわせて計算できます。

ABCDE
1データ
2X平均値=AVERAGE(A3:A12)
3101=3*STDEV.S(A3:A12)
498
595平均値 - 3σ=D2-D3
6104平均値 + 3σ=D2+D3
797
8103
999
1093
11108
1288

度数の表示が1セルのみになってしまう場合 ※

スピル機能のないエクセル(バージョン2019以前)では、
セルに =FREQUENCY(...) 入力後に、Ctrl + Shift + Enter を押す必要があります。
Enter のみでは、1つの値しか表示されません。

算出手順

エクセルで度数分布表を作成する手順は、主に3つです。

1. 度数分布表のパラメータを設定

度数分布表を作成するには、 データの数値を特定の間隔ごとに区切る必要があります。

区切る間隔を決定するために、 今回の例では、以下のパラメータを設定しています。

  • 階級の最小の値(ここでは 0D2セル))
  • 階級の幅(ここでは 10D3セル))

2. 階級の値を作成

手順1のパラメータ値を使い、 度数分布表で使用する階級の値を作成します。

今回の例では、 初期値とそれ以降では数式が異なるので注意してください。

2a. 初期値の作成

階級の初期値は、 手順1で設定した 階級の最小の値階級の幅の値の和になります。 (ここでは、0 + 10 = 10D2セル+D3セル ))

※ 手順3のFREQUENCY関数には、 階級の 上限値 を入力する必要があるため、 階級の最小の値 ではなく 階級の最小の値+階級の幅を使用します。

2b. 初期値より後の作成

初期値より後の階級の値は、 1つ前の値に 階級の幅(手順1)の値を加算していきます。

具体的には、

  • 1番目の値: 初期値(手順2a)
  • 2番目の値: 1番目の値+ 階級の幅
  • 3番目の値: 2番目の値+ 階級の幅
  • ...

となります。

3. 度数(頻度)の値を算出

データ列と、手順2で作成した階級の値を FREQUENCY 関数に入力して、 度数(頻度)を算出します。

FREQUENCY関数

第1引数の範囲のデータについて、第2引数範囲の階級の値を使って度数分布表を作成する。
この関数を1セルに記入すると、第2引数の範囲に従って結果が下のセルに広がって表示される。

例:=FREQUENCY(A3:A10,E6:E8)

  • 第1引数 (A3:A10): 評価に使用するデータの範囲(必須)
  • 第2引数 (E6:E8): 階級の値(上限値)を記入したセル範囲(必須)