2025/7/12
基準値で数値を丸める関数の違い(MROUND, CEILING, FLOORなど)【エクセル】

はじめに
エクセルには、四捨五入 / 切り上げ /切り捨てすることで、数値を丸める関数 が多く存在します。
ここでの「基準値」とは、「数値を丸める単位」「その整数倍にする値」のことです
「桁を丸める関数」も「基準値で丸める関数」の1つ
桁を丸める関数 も、厳密に言うと 基準値で丸める関数 の1つです。
桁を丸める関数 では、基準値 (:指定の小数部の桁数) で丸めます。例)
- 10の桁で丸めるとき: (基準値:, )
- 1の桁で丸めるとき(整数化): (基準値:, )
- 小数点第一位で丸めるとき: (基準値:, )
ここでは、
- 桁を丸める関数 :基準値が の関数
- 基準値で丸める関数 :基準値を自由に決められる関数
を基に分類しています。
ここでは、 基準値で丸める関数 について取り上げ、該当する関数の違いについてまとめます。
内容は以下の通りです。
- 関数の使用例
- 比較表
- 使い分けの目安
関数の使用例
基準値で丸める関数を使って、 基準値 で数値を丸める例 を示します。
(使用関数:MROUND
, CEILING.MATH
, FLOOR.MATH
※)
※ CEILING
とCEILING.PRECISE
はCEILING.MATH
(モード:0) と、 FLOOR
とFLOOR.PRECISE
はFLOOR.MATH
(モード:0) と同じ挙動のため省略
比較表
基準値で丸める関数の比較表を以下に示します。
関数名 | 機能 | 指定値 | 丸め方(正の値) | 丸め方(負の値) | 備考 | 対応バージョン |
---|---|---|---|---|---|---|
MROUND | 丸め処理 | 基準値 | ↕️ 四捨五入 | ↕️ 四捨五入 | 数値と基準値の符号が異なるとエラー | 2007 〜 |
CEILING | 丸め処理 | 基準値 | ↗️ 切り上げ | ↘️ 切り捨て | モードの指定不可 | 全バージョン |
CEILING.PRECISE | 2013 〜 | |||||
CEILING.MATH (モード:0) | 基準値、 モード | - | ||||
CEILING.MATH (モード:1) | ↗️ 切り上げ | |||||
FLOOR | 丸め処理 | 基準値 | ↘️ 切り捨て | ↗️ 切り上げ | モードの指定不可 | 全バージョン |
FLOOR.PRECISE | 2013 〜 | |||||
FLOOR.MATH (モード:0) | 基準値、 モード | - | ||||
FLOOR.MATH (モード:1) | ↘️ 切り捨て |
使い分けの目安
基準値で数値を丸める関数の使い分けの目安は、
- ↕️四捨五入(数値の符号が固定されているとき)
MROUND
- ↗️切り上げ
CEILING.MATH
(モード:1) - ↘️切り捨て
FLOOR.MATH
(モード:1)
他の関数は、