エクセルの関数で対応のあるt検定のやり方【コピペですぐに使える】

はじめに
エクセルには、アドオンの「データ分析」ツールの中に t検定 の機能がありますが、 T.TEST
関数)を使って、
下にサンプルのセルデータがあるので、
対応のあるt検定とは
対応のあるt検定は、統計的仮説検定の一種です。
ザックリとした手順は以下です。
- 2つのデータセット間で、 対応している数値(ペア)同士のそれぞれの差を算出
- 差の平均が0から有意にずれているかを検定
いつ使うのか?
対応のあるt検定は、以下のような場合に使用します。
- 2つのデータセット(2標本)間に対応関係(ペア)がある
- 量的(間隔 or 比率)データである
- データ間のそれぞれの差が正規分布に従う or データ数が多い(n≧30)
算出値の意味
仮説検定では、 p値 を算出し、 有意水準α と比較を行います。 T.TEST
関数によって得られます。
p値 と 有意水準α による判定は以下の通りです。
- p値 < α のとき: 2つのデータセット間に有意な差が ある
- p値 ≥ α のとき: 2つのデータセット間に有意な差が ない
エクセルでの算出方法
以下の 全セルをコピー
ボタンをクリックし、エクセルの A1
セルに貼り付けると、 E3
セルにp値(下記の場合 0.070565635
)、E6
セルに検定結果(下記の場合 (有意差)なし
)が出力されます。
A
, B
列のデータを書き換え、 E3
セル中の参照セル範囲を書き換えることで、
A | B | C | D | E | F | |
1 | データ | |||||
2 | X | Y | 有意水準α | 0.05 | ||
3 | 3 | 3 | p値 | =T.TEST(A3:A8,B3:B8,2,1) | ||
4 | 5 | 6 | ||||
5 | 6 | 2 | 結果 | |||
6 | 7 | 4 | 有意差 | =IF(E3<=E2,"あり","なし") | ||
7 | 10 | 8 | ||||
8 | 8 | 3 | ||||
9 | ||||||
10 |
算出手順
エクセルで対応のあるt検定を行うための手順は、以下の3つです。
1. パラメータの設定
有意水準αを 事前 に設定します。
2. p値を算出
T.TEST
関数を使用して、
T.TEST関数
第1、第2引数の2つのデータセットを使って、t検定における確率(p値)を返す。
例:
=T.TEST(A3:A8,B3:B8,2,1)
- 第1引数 (
A3:A8
): 検定に使用する1つ目のデータセット(必須)- 第2引数 (
B3:B8
): 検定に使用する2つ目のデータセット(必須)- 第3引数 (
2
): 片側検定(1
) or 両側検定(2
) の設定(必須)- 第4引数 (
1
): t検定の種類(必須)
1
: 対応のあるt検定2
: 対応のないt検定(等分散)3
: 対応のないt検定(非等分散)(旧関数:
TTEST
関数)
3. 結果の表示
設定した有意水準と、算出したp値を比較した結果を表示します。 IF
関数を使用しています。
IF関数
第1引数の条件式を基に、返す結果を分岐させる。
- 第1引数 = TRUEのとき: 第2引数の値を返す
- 第1引数 = FALSEのとき: 第3引数の値を返す
例:
=IF(E3<=E2,"あり","なし")
- 第1引数 (
E3<=E2
): 分岐の条件式(必須)- 第2引数 (
あり
): TRUEのときに返す値(必須)- 第3引数 (
なし
): FALSEのときに返す値(オプション)