エクセルで偏相関係数の簡単な求め方【コピペですぐに使える】

はじめに
エクセルには、偏相関係数を直接算出できる専用の関数は存在しません。 CORREL
、SQRT
関数を組み合わせて算出する手順を紹介します。
下にサンプルのセルデータがあるので、
偏相関係数とは
偏相関係数は、第3の変数の影響を排除しつつ、2つの変数間の相関を評価できる統計量です。
定義式
偏相関係数(Zの影響を排除した、X-Y間の相関):
- : XとYの相関係数
- : XとZの相関係数
- : YとZの相関係数
いつ使うのか?
XとYのデータ間の相関をみるときに、第3の因子Zの影響を排除したい場合に使用します。
疑似相関とは
XとYに 直接的に相関がなくても、 X、Yの両方と相関のあるZが存在すると、
XとYに 相関があるようにみえます。 これを 疑似相関 と呼びます。Z - X : 相関あり
Z - Y : 相関あり
↓
X - Y : 相関があるようにみえる(疑似相関)
偏相関係数の意味
偏相関係数 は、
- 1: 完全な正の相関
- -1: 完全な負の相関
- 0: 相関なし
エクセルでの算出方法
以下は、Zデータの影響を排除した、X-Yデータ間の偏相関係数を算出するサンプルです。
全セルをコピー
ボタンをクリックし、エクセルの A1
セルに貼り付けると、 G8
セルに偏相関係数(下記の場合 0.497194123
)が算出されます。
A
~ D
列のデータを書き換え、 G3
, G4
, G5
セル中の参照セルを書き換えることで、
A | B | C | D | E | F | G | H | |
1 | データ | |||||||
2 | ラベル | X | Y | Z | 相関係数 | |||
3 | a | 81 | 27 | 15 | (X,Y) | =CORREL(B3:B7, C3:C7) | ||
4 | b | 243 | 50 | 30 | (X,Z) | =CORREL(B3:B7, D3:D7) | ||
5 | c | 182 | 33 | 28 | (Y,Z) | =CORREL(C3:C7, D3:D7) | ||
6 | d | 315 | 66 | 33 | ||||
7 | e | 186 | 25 | 20 | 偏相関係数 | |||
8 | (X,Y). Z | =(G3-G4*G5)/(SQRT(1-G4*G4)*SQRT(1-G5*G5)) | ||||||
9 | ||||||||
10 | ||||||||
11 |
算出手順
エクセルで偏相関係数を算出するための手順は以下の2つです。
1. 各データ間ペアのそれぞれの相関係数を算出
ここでは、ピアソンの相関係数を使用します。 CORREL
関数を使用して、X-Y間、X-Z間、Y-Z間のそれぞれ相関係数を算出します。
CORREL関数
第1引数と第2引数のデータ列間の相関係数を算出。
例:
=CORREL(C3:C7, D3:D7)
2. 各相関係数の値を使って偏相関係数を算出
手順1で算出した相関係数の値を、偏相関係数の定義式に代入して、偏相関係数を算出します。
SQRT関数
第1引数に入れた値の平方根(ルート)を算出する。
例:
SQRT(A1)
- 第1引数 (
A1
): 平方根を求める値(必須)